ゆううつ

マンションの工事が
始まった


といってもまだ
資材の運び込みとか
下準備の段階で
足場は組まれてない


ただいま
ベランダの植物を
妹宅に疎開させるべく
奮闘中である


剪定というより
枝を展開する幹の部分から
カット…


細々としたブルーベリーとかでも
幹からとなると大変な上

せっかく立派に育ったものを
復活するのか疑問なほど
切り詰める作業は
心がいたむ


カットした枝葉を
ミシミシ…メキメキッといわせて
ゴミ袋に突っ込む
泣きそうである


薔薇の冬の剪定とかと
全然違う気分



薔薇の冬剪定は
切りながらも
春に咲く薔薇を想える



今の作業は
もしかしてこのまま
枝葉を出さず
枯れてしまうんでは…


と憂鬱な気分



夕方、少し暑さが和らいだ頃
毎日数鉢をカットして
ゴミ袋の口を縛って
大きなため息をついて
カットした寂しい鉢を眺める


夕焼け空が美しい季節


少し心が慰められる



すでに数鉢
妹宅に移動した


姪っ子がしっかり
水やりしてくれてるのが
本当にありがたい


水の温度まで
気にかけてくれるので
安心しておこう


ただ、朝一番に
ベランダに出た時
寝る前に
いつもある存在
植物の匂いや葉音がないのが
不在になるのが
さみしいのだな…


貴重な感情を大切に味わおう

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村林由佳子